解雇の問題(労働者向け)
不当解雇に泣き寝入りしない!
不本意な理由や,身に覚えのない言い掛かりで,一方的に解雇通告を受けるという事があります。
納得できないという思いはあっても,社長の言う事だから従わざるを得ないと思って,泣き寝入りしてしまう人というのも多くいらっしゃいますが,法律上,正当な根拠のない解雇通告に従う必要はありません。
ここでは,不当な解雇通告を受けた労働者がどうやって戦えばいいか,身の守り方のレクチャーをします。
解雇に正当な理由があるか,確認してみよう
解雇は,合理的な理由があって社会通念上相当と言える場合でないと,認められません(労働契約法16条)。すなわち,不合理な言い分で一方的にクビになる事は無いというのは,労働者に認められた,法律上の権利です。
そこで,もし不本意な解雇通告を受けた場合に抑えるべきは,その解雇の理由がなんなのか,という点につきます。
もし,あなたが会社の金を横領するなどの非行を働いたとして懲戒解雇を受けたというのであれば,それはもうやむを得ないと考えるかもしれません。しかし,たとえば5分だけの遅刻など非常に軽微なミスを理由にして,いきなり解雇を言い渡されたとなれば,それは処分としては重すぎます。このような場合には,合理的な理由が無いとして解雇が無効になる場合もあります。
このように,解雇を会社が考えるというのであれば,その解雇理由は何か,まず押えます。
解雇理由証明書を発行させよう
上記の解雇理由は,今後の争いに向けての重要な争点になってきます。こういう理由で会社が自分を解雇しようとしているのだ,という事を証拠化すべく,会社に「解雇理由証明」を発行するよう求めましょう。
これは,解雇理由が何か,端的に記載して発行するように会社に義務付けられているものなので,会社はこれを拒むことはできません。
復職を求めるか,退職金の上乗せを目指すか,方針決定
解雇無効だとして,今後の目指すゴールは二つあります。職場に戻るか,金で解決するかです。
職場復帰を目指すのであれば,解雇が無効である理由を念頭に,会社との交渉や法的な争いのステージに進めることになります。この際には,解雇が法律上無効であることのみならず,自分が職場復帰した後にどのように勤務できるのか,会社内の人員の調整や仕事配分の問題が無いかなども念頭に置くのが良いでしょう。
一方,会社を去るのは仕方ないが,せめて退職金の上乗せなど求めたいという方法もあり得ます。
この場合も,法的な紛争のステージに話しを進めることを念頭に置きますが,会社としても,争いが長引くくらいであれば多少の割増金を支払って解決させようと考えることも多くあります。会社の資金力の具合や社長の個性も含め,会社がどういった対応をしてくるか予想しながら,落としどころを探っていきます。
会社の社風や資金力などにもよりますが,給料にして半年から1年分の退職金の上乗せを獲得することも不可能ではありません。
労働審判という手続き
裁判になったら1年も2年も時間がかかって,その間に時間も体力も負担が大きいからと言って,積極的に争うことを好まない方もいます。
たしかに訴訟は時間がかかりますが,実は,労働審判という,比較的短期間で労働紛争を解決できる手続きがあります。
これは,原則3回の期日,平均75日程度で労働紛争の解決を目指す手続きで,普段は労働裁判を行っている裁判官が手続きを主導し,労使双方に解決を促す,という早期解決のための手続きです。また,かならずしも法律上の請求権が成り立ちにくい内容でも,現実に沿った解決を探ることができる,柔軟な手続きでもあります。
労働審判は最終的には訴訟に移行することもありますが,多くのケースでは会社から一定の譲歩を引き出すことが期待できるため,労働者の権利救済にとって非常に優れた亜制度です。会社との交渉が決裂した場合には,まず労働審判の申し立てを検討することになります。
不当解雇の問題は弁護士へ
このように,解雇が有効とされるには会社にとってもハードルが高く,労働者にとっては争いがいのある内容の事件なのですが,実際にはどうやって交渉を行えばいいか,方針をどう見極めればいいか,悩ましい内容というのも当然あります。
そのような時は,法律の専門家である弁護士にご相談ください。
当事務所では労働事件の豊富な経験があり,不当解雇の問題についても精通しています。かならず,あなたにとってベストな解決方法を探ることができます。
初回相談は無料ですから,いますぐ,当事務所にご相談ください。
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