マイナンバーについて(会社と従業員)
マイナンバーについて(会社と従業員)
1 日本に住むすべての人に、個人番号(マイナンバー)が割り振られます。
少し前に話題になった、住基ネットとか、「国民総背番号制」という議論とは異なりますが、社会保障や税金の処理などの行政処理の効率化が期待されるところです。
しかし、内閣府世論調査によれば、必ずしもマイナンバー制度が周知されているわけでもないようで、その内容をよく知っていると答えた人は、2015年9月の段階では40%強に留まるようです。
大手企業ではある程度準備が進んでいるといわれていますが、中小を中心に、まだまだ対応ができていない会社も多いようです。
しかし2016年1月以降は、源泉徴収票や支払調書に記入したり、従業員の年金の処理の関係でもマイナンバーが必要になるなど、待ったなしで始まってしまう制度です。
「言葉は聞いたことあるけど、うちのような中小零細企業では何も準備なんかいらないのでは?」
「マイナンバーって、個人情報とどう違うの?」
「わが社には関係ないんでしょ?」
・・・そんな社長さん、総務担当者の方には、ぜひ一度立ち止まって考えていただきたい問題です。すべての企業と働く人にとって、マイナンバーは他人事ではありません。
2 マイナンバーってどこに書いてあるの?
マイナンバーは、2015年10月から順次、国内に住所がある人に対し通知されます。
通知カードという、簡易書留で発送されるカードが届きます。これに、12ケタの番号が記載されているので、自分の番号が確認できます。
会社としては、まず従業員に対し、この通知カードを捨てたりなくしたりしないように呼びかけることが重要です。
また、2016年1月以降は、写真入りの「個人番号カード」も。希望者には交付されます。
3 マイナンバーの扱い方のルールを知る
マイナンバーは特別な個人情報です。
取得,利用,破棄というポイントごとに,どういう扱いをしなければならないか,法律で定めてあるため,具体的な手順を事前に決めておくことが必要です。
どういった内容にすればいいかという実務的な話は,コラムの中で解説するには分量が多くなりすぎますから,あらためての機会に譲りますが,インターネットで検索して頂くと,国(内閣官房など)のホームページなどで比較的わかりやすい解説もございます。まずは,「マイナンバー」と検索してみて,制度の概要をざっと見てみるところから始めましょう。
4 個人的なつぶやき
マイナンバーという制度が発足するのと近いタイミングで,行政庁からのデータ流出などのニュースが紙面をにぎわすこともあり,あらためて「情報の取り扱い」って難しいんだなという印象を持ちます。
データハッキングによる,不正送金の被害額も,2015年上半期で15億円に上るなど,衝撃的な数値もあるくらいです。
パスワードを他人に教えないとか,怪しいファイルをダウンロードしない,セキュリティソフトは最新のものにしておくといった,基本的な対策で大部分の被害は防げるものだと思いますから,ぜひ,「自分だけは関係ない」という盲信は捨てて,自己防衛をしていただくのが良いと思います。
私の所に相談に来られる中小企業の方も,「自分の所だけは労働問題など起きないと思っていた」という方が,実際にいらっしゃいます。
問題が起きる前の対策コストは,問題が起きてからの対応コストより,圧倒的に安く済みます。
この機会に,新制度への対応や情報管理など,考え直してみてはどうでしょうか。
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