消費者トラブル・クレーマー
企業にとって,お客様であるはずの消費者とのトラブルやクレーマー問題は,非常に悩ましい問題と言えます。
たしかに,お客様のクレームの声を大事にしましょうとか,トラブルをうまく解決すれば顧客からの信頼につながる,という側面もあります。しかし,消費者トラブルやクレームは,対応を間違えれば企業への信頼が損なわれるとか,クレーム対魚のために非常に多くのコストを割くことになるなど,常にリスクと隣り合わせのもでもあります。
消費者からのクレームが発生した場合の対処方法
まず,企業に落ち度があり,消費者のクレームが正当である場合を考えます。
この場合には,企業としてはまず謝罪をしたうえ,必要な補償など,お客様に対して誠意を尽くすことになるでしょう。できるだけ迅速に対応し,問題の発生原因と再発防止策を策定してお客様に説明して,ご納得いただくといった方法が考えられます。
問題は,企業に落ち度のないクレーム,いわゆる悪質クレーマーの対応をどうするかという事です。
場合によっては,クレームをつけることで企業から商品や解決金の支払いなどを目指すという,ユスリのようなクレーマーが存在することも事実です。また,店舗の従業員のように立場の弱い人に向けて暴言を吐くなどして満足をするという悪質クレーマーも存在します。
こういったケースの場合は,企業として早期の段階で適切に対応をすることで,クレーマーの増長を防ぎます。
悪質クレーマーに対してどう対応するのが良いか
まず,どういった要求をしているのか明らかにするのが,話のスタートラインです。
よくあるケースは,「誠意を見せろ」とか,「企業側から解決策を提示しろ,このままでは納得いかない」などと,自分の不満に対する解決方法を,自分からは申し出ないというケースです。企業に対して金銭的な補償や商品のディスカウントなど,具体的な解決策は自分から言い出さずに,あくまでも企業から言い出すように仕向けているという,不当要求の典型例です。このような場合,企業の立場でいくら出すとか,どういった提案をするから納得してもらえないかなどと交渉をしても,早期に解決をするのは困難です。相手はいくらでも条件を釣り上げてきて,限界まで企業から「示談金」を搾り取ろうと考えているからです。
このような場合,企業に対する不満は何か,求める解決内容はなんなのかをはっきりと表明させ,それに対して企業としてどういった考えを持っているのかを回答する,という順番で交渉を運ぶのが良いでしょう。
面談の強要や業務妨害事案
もっと悪質なものになると,店舗の窓口に押しかけて3時間も4時間も担当者と面談を強要するとか,店舗で大声でどなり散らすなど,業務妨害に及ぶようなケースです。
消費者相手なので企業は強気に出られないだろうと弱みに付け込み,「示談金」などをせしめようとする典型例です。
穏やかな交渉であればいいのですが,店舗内で騒ぎ出すとか,他の仕事もある責任者が長時間拘束されるという場合には,もはや威力業務妨害だという事で,警察への通報などを検討すべきでしょう。
対応に困ったら弁護士へ
悪質クレーマーとの対応は,現場の従業員にとっては非常に神経をすり減らす作業ですし,通常業務を行えなくなってしまいますから,企業へのダメージは非常に大きくなりがちです。
くわえて,クレーマーとの折衝に慣れていない従業員の対応に付け込まれて,最終的に企業の負担が大きな内容で解決を目指さざるを得ないという事態も,よく起こります。
こういった事態を避けるために,消費者トラブル・クレーマー対応でこまったら,すぐに弁護士に相談するのが良いでしょう。多くの悪質な不当要求は,弁護士が介入した時点で排除出来ます。また,徹底的に争いになるという場合でも,早期の段階でご相談いただくことによって,証拠の保全や折衝の経緯など,裁判手続きにも耐えるように準備することが可能になりますので,企業の利益を最大限に守ることができます。
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