離婚裁判の流れや平均期間|長期化する要因は?
夫婦間の話し合いや調停がまとまらなかった場合、最終的な手段として「離婚裁判」があります。
とはいえ、裁判と聞くと「時間がかかる」「手続きが難しい」といった不安を抱える方も多いかもしれません。
今回は、離婚裁判の基本的な流れや平均期間、長期化しやすい要因を解説します。
離婚裁判の基本的な流れ
離婚裁判の基本的な流れは、以下のとおりです。
①訴状提出から第1回口頭弁論
②書面のやり取り・証拠の提出
③本人尋問(証人尋問)
④判決または和解
それぞれ確認していきましょう。
①訴状提出から第1回口頭弁論
訴状提出後、家庭裁判所で第1回口頭弁論が開かれます。
被告が訴状に対する答弁書を提出し、裁判が本格的に始まります。
②書面のやり取り・証拠の提出
以降は月1回程度のペースで期日が設定され、双方が準備書面を提出します。
主張の裏付けとして証拠を揃え、相手方の主張に反論を重ねていく形式で進行します。
③本人尋問(証人尋問)
争点が整理されたら、事実関係を確認するための本人尋問が行われます。
事案によっては、第三者による証人尋問が行われることもあります。
④判決または和解
審理の後、裁判所の判決か、和解の成立によって裁判が終了します。
実は和解が成立するケースも少なくなく、判決より早く決着するケースも見られます。
判決に不服がある場合は、控訴も可能です。
離婚裁判の平均的な期間
訴訟にかかる期間は、半年から2年程度が一般的です。
争点が少ない場合や、早期に和解が成立する場合には半年以内で終わる可能性もあります。
反対に証人が多く出廷する場合や、相手方が答弁に協力的でない場合などは、2年以上かかることも珍しくありません。
離婚裁判が長期化する主な要因
離婚裁判が長期化する主な要因は、以下の3点です。
- 争点が多い
- 証拠の提出・収集に時間がかかる
- 当事者同士の感情的な対立がある
争点が多い
離婚そのものに加えて、慰謝料など複数の争点がある場合には、それぞれの項目について主張・証拠の提示などを行わなければなりません。
そのため、期日が複数回にわたって設定され、長期化する傾向があります。
証拠の提出・収集に時間がかかる
不貞の証拠やDVの記録、財産内容の調査など、証拠をそろえるための準備に時間がかかるケースもあります。
相手方が協力しない場合は、必要な資料を入手するのが難しく、長期化します。
当事者同士の感情的な対立がある
離婚に感情的な対立があると、譲歩や和解が難しくなります。
本来は解決できる問題でも、感情のもつれによってお互い頑固になってしまい、結果として裁判が長期化するわけです。
まとめ
離婚裁判は調停の不成立を前提として進むため、訴訟に至る時点ですでに一定の時間を要しています。
争点の複雑さや当事者の姿勢によっても、裁判の進行は変わります。
早期解決を目指すには、弁護士などの専門家のアドバイスを受けながら、冷静に対応を進めるのが重要です。
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