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裁判例に見る「非正規公務員」の現状と課題 雇止め・処遇の問題を中心に

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裁判例に見る「非正規公務員」の現状と課題

法律情報出版 2016年2月25日発売

 

東京弁護士会 労働法制特別委員会での研究成果を書物にまとめました。

今回扱うテーマは,「非正規公務員」です。

公務員というと,安定している,高給,仕事が楽で残業が無い・・・というイメージも持たれがちですが,公務員の労働の現場では,重要な責任と仕事を担いながら非正規,非常勤という身分で,非常に不安定な身分で勤務なさっている方がいらっしゃいます。

一方,公務に従事することへの対価というのは,当然ですが税金が原資となっており,公務員の身分関係は法律や条例によって定められます。そのため,適正な手続きに則っていないと,給与や期末手当(ボーナス)を支払うことすら許されなくなってしまいます。

こういった公務員の身分というのは,行政法的な分野と労働法的な側面を兼ね備えており,どちらかというとこれまではマイナーな分野と認識されていました。しかし近年,この「非正規」の公務員の貧困というテーマにスポットライトが当たるようになり,ひとつの社会問題として認識され始めました。

「官製ワーキングプア」と,ショッキングなキャッチフレーズで言われることもあります。

この問題は重要な社会問題の一つですが,公務員法制や条文の解釈など,極めて複雑な法律問題もはらんでいるため,単に「貧困からの解放」とか,職場環境の改善,あるいは資本家と労働者の対立という単純な構造を離れた,複雑な問題が入り混じっているものと言えます。

これまで,非正規公務員の法律問題を主テーマとして研究されてきたものは必ずしも多くなく,複数の弁護士による法律・判例の解釈・解説としては,まだ類書のない分野ではないかと思います。

府中市をはじめ多摩・東京都内に限らず,各地方自治体で職員を管理する側の方や,現場で実際に働きながらご自身の待遇に納得できないという方,あるいは地方公共団体の支出のあり方について興味とご関心をお持ちの方など,様々な方にとっての参考の一冊となるのではないかと期待します。

私たちの税金の使われ方と,公務員の働き方という,縁遠いようで身近な,古くて新しい問題を取り扱った,渾身の一冊です。ぜひ,お手にとってご覧ください。

 

地方自治体の職員の方へ

本書は,近年問題意識の高まっている「非正規公務員」の処遇や採用・雇止めについて,法律的な論点を整理し,現在の裁判例の到達点と実務上の問題点を洗い出すことを目的とした書物です。

御庁での職員の管理にも,マニュアルや手引きなどおありかと思いますが,ぜひ一度本書をお手にとってご覧ください。

臨時職員にボーナスを払っていいのか悪いのか。

1年おきに更新をしている職員の今後はどうなるのか。

職員の管理を誤らないために,どのような法律を知っておけばいいのか。

わたしたち東京弁護士会の労働法制特別委員会メンバーが,普段扱っている労働法への知見をフル活用し,非正規の職員の法律問題について,最高裁判決や下級審判決をふんだんに検討した結果の到達点を示しています。きっと,今後の職員管理上の参考になるのではないかと思います。

ご興味のある方は,どうぞお買い求めいただくか,当事務所にご一報ください。本書についてのご案内を差し上げたいと思います。

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