無実を証明したい

「それでも,私はやってないんだ!」

 

という,無実の罪を着せられた方の声が,いくつも闇に葬られていると言われています。

 

そのため,一部の刑事手続きについて,取り調べを可視化(録画による取り調べ状況の記録化)や証拠開示の手続きが認められるようになってきましたが,まだまだ不十分だと言わざるを得ません。

 

もし,身に覚えがない事実で逮捕された,無実を訴えたいという場合には,一刻も早く,刑事手続きに強い弁護士に依頼することが必要です。

 

1 供述調書には簡単に署名押印しない事

警察や検察官の取り調べを受けると,その日の供述の内容を書面にした,「供述調書」というものが作成されます。

 

これは,その日に話したという内容を検察官で書面化し,被疑者に読み聞かせたうえで,記載内容に間違いないと署名押印させるというものです。

 

だいたい,長時間の取り調べの後に作成されるものなので,必ずしも記載内容をすべて読み,間違いないことを確認できるかというと,難しいものがあるように思います。

 

また,捜査官が作成したものだから署名を拒否できないと思い,記載内容が間違っているのに署名を強要された,という話も,よく聞きます。

 

しかし,これはとても危険です。内容に間違いないと確認したうえでの署名押印という建付けの書面になっていますから,もし記載内容が真実と違っても,あなたが署名押印すると,その間違った記載内容を認めてしまったことになります。

 

また,いちど内容を認めてしまうと,あとでこれを覆すことは容易ではありません。むしろ,言っている事が二転三転しているとして,供述者の態度自体が信用できないとみなされることもあります。

 

調書に間違った内容があれば納得いくまで訂正を求める,または署名をしないということが肝心です。

 

2 自白を強要されないよう注意

取り調べの際には告知される決まりにもなっていますが,日本には,黙秘権という制度があります。

 

自らに不利になる内容など,述べたくないことは,自白を強要されることはなく,黙秘してもそれのみをもって不利に扱われることは無いという権利です。

 

拷問などによって自白を得ようとする,非人道的な操作方法は現代では認められておらず,任意性のない自白は証拠として採用されないことになっています。

 

逮捕されているのだからすべて自供しなければならない…ということはありません。捜査官が,無理に自白を引き出そうとしても,これには毅然とした態度で闘うことが必要です。

 

なお,昔の刑事ドラマやコントのワンシーンで,取調室でカツ丼やタバコを出されるという描写がありましたが,あれは嘘です。取り調べ中に特別に食料や嗜好品などを提供すると,利益供与によって自白を引き出したということで,自白の任意性に争いが出てきますから,現代ではほぼ考えられない描写ということになっています。(裁判官も木槌は持っていませんし,多くの弁護士は悪徳ではありませんから,ドラマの描写というのは,だいたいフィクションです)

 

3 弁護人と協議し,防御方針を決める事

無実なのに逮捕されたとなると,精神的にも非常に大きな負担となります。もちろんご本人もそうですし,ご家族にとっても非常にショッキングな事でしょう。

 

そのような時こそ,冷静に事態を見極めて,適切な対応をする必要があります。

 

警察官が逮捕に踏み切ったという場合は,なんらか,「彼が犯行を行った」という裏付けを持っています。

 

真実,冤罪であり無実だという主張をするのであれば,捜査官の手持ちの証拠関係や有罪となるストーリーが誤りであり,真実はこうだ,ということを主張していかなければなりません。

 

そのためにどんな準備が必要なのか,どういった証拠が需要なのかを,弁護士は掲示意見雄プロとして見極めます。ご本人やご家族,支援者の方と協力し,真実を訴えていくことができます。

 

捜査中の段階で,関係者からの陳述や,捜査機関が見落としている証拠などを精査することで,彼が犯人ではないと明らかになり,起訴前の段階で付記書処分となり釈放されるというケースもあります。(当事務所代表弁護士も,起訴前の捜査段階で弁護活動を行い,主犯格と目されていた被疑者の無実を訴えて,不起訴処分を勝ち取ったことがあります)

 

また,逮捕・勾留中も,弁護士が十分な打ち合わせ(接見と言います)を行う事で,信頼関係が生まれ,精神的にもサポートすることが可能になります。

 

このように,無実を証明したいのであれば,弁護士のアドバイスに従い適切な対応を取っていく必要があります。

 

無実の罪で逮捕されてしまったという方,まずは当事務所にご相談ください。

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